観客動員を毎年更新している弁慶セレクション上映 スタートの経緯と盛り上がりを続ける秘密とは
上映して終わりというだけの映画祭だと物足りなくなってきた
(掛尾) 今年も弁慶セレクション上映(弁セレ)は5月8日からスタートし、トップバッター山田純監督の「龍宮の誘い」が満席スタートしました。弁セレは2024年、2025年と観客動員を急上昇させ、今年も素晴らしいラインアップが揃いました。
私も当事者ですが、改めて弁セレ上映を説明すると、毎年11月に開催される田辺・弁慶映画祭でグランプリや観客賞などを受賞した作品を、翌年テアトル新宿、テアトル梅田でレイトショー公開するということですね。この弁セレをディレクションする東京テアトルの沢村敏さんに、この経緯をお聞きしたいと思います。
(沢村) 遡って調べますと、弁慶映画祭は2007年にスタートし、2012年に、2011年の第5回弁慶映画祭で、映画検定審査員賞を受賞した「青すぎたギルティー」平波亘監督らと田辺・弁慶映画祭の過去上映作品と合わせて「映画太郎」という名称で上映を始めました。2013年から弁セレという名称にして2012年、第6回で受賞した今橋貴監督「虚しいだけ」(グランプリ+映検審査員賞)、甲斐博和監督「犬のようだ」(東京国際映画祭チェアマン特別奨励賞)、浅沼直也監督「Heart Beat」(市民審査賞)と過去の受賞作を合わせて上映しています。開催期間は1週間です。2016年まで、開催期間は1週間でした。新宿の後、テアトル梅田でも上映するようになったのは2015年からです。2014年の1週間のレイトショー上映の興収がテアトル新宿のアベレージを超えたことも、大阪で上映する後押しになったと思います。
(掛尾) どのようなら狙いで弁セレを開催しようということになりましたか。当事者の私が訊くのも変ですが(笑)。
(沢村) もともとは、上映して終わりというだけの映画祭だと物足りなくなってきたというか。平波監督たちと、プレ企画というか、前哨戦である「映画太郎」という企画をやった時に、非常に盛り上がったんです。これは映画祭の特色にもなるし、他にやっていないことなので、素晴らしい企画だということで始まりました。
(掛尾) テアトルの社内的に、この上映企画はすんなり通ったのですか。
(沢村) レイトショーだったので、なんとか自分の編成のタイムワークの中でうまくやる、という形でやっていました。当初から盛り上がり続け、年々、観客動員は右肩上がりに増えていく状況になっていきました。
(掛尾) 弁慶セレクションの当初の目的は、田辺で映画祭をやっているだけではあまり認知が上がらない、せっかくいい作品が集まっても注目されないということで、それを東京で見せるということだったと思います。そして、上映、いわゆる商業劇場でのプロの興行をやるということで、現在は、数ヶ月間にわたってレクチャーをやっています。あの体系化されたレクチャーは活字にして広めたいくらいに私は考えていますが、当初はそこまで詳細にはやっていませんでしたよね。

(沢村) 調べてみると、2015年から月1回のレクチャーをやっていましたが、チラシ作りであったり、前売り券の売り方であったり、本当に簡単なことはやっていた記憶がありますが、現在のようにきっちり半年間詰めてやるような形ではありませんでした。当初はチラシ作りと前売り券の売り方など、自主映画の監督やプロデューサーたちに、映画の配給・興行というものを知ってもらう、ということが中心だったと思います。
(掛尾) ずっと右肩上がりだったということですが、勢いがついてきたのは、いつぐらいからですか。
(沢村) 2014年からの弁慶セレクションの興行ベースで言うと、ずっと右肩上がりに増えていっています。どこかで急激に上昇したという感じではないですね。ただ、上映週数が2017年から3週間に増えているので、そこは転機と言えば転機かもしれません。2016年の弁セレですから2015年の映画祭の甲斐博和監督「INNOCENT15」が満席を2回出しています。
(掛尾) 2017年から開催期間が3週間になったのですが、2016年、第10回の塚田万理奈監督「空(カラ)の味」(弁慶グランプリ、映検審査員賞、市民賞、女優賞(堀春菜))が上映された年ですね。「空(カラ)の味」については、私も思い入れがあって、知人の新聞記者に働きかけて朝日、毎日、読売に映画評が掲載されました。他にも野本梢監督「私は渦の底から」(映画.com賞)、永山正史監督「トータスの旅」(男優賞(木村知貴))と話題作が並びました。
(沢村) 2017年の弁セレから受賞作品をまとめて上映するようになり、そこから3週間にしている。その時から、受賞作全部をやろうという形になったのだと思います。
(掛尾) 2020年はコロナ禍ということで、映画祭はリアルが中止になってオンライン映画祭になりましたが、2021年の弁セレはリアルで上映しているんですよね。
(沢村) そうですね、2021年、弁セレはリアル上映しています。野本梢監督「愛のくだらない」(弁慶グランプリ/映画.com賞)、小川深彩監督「偽神」(キネマイスター賞/以前の映画検定審査員賞)、亀山睦実監督「マイライフ、ママライフ」(観客賞)、三浦克巳監督「親鳥よ、静かに泣け」(TBSラジオ賞)、礒部泰宏監督「いる」(俳優賞(礒部泰宏))の年です。
(掛尾) コロナ禍が一段落したというか、ワクチンを射って落ち着きを取り戻したころですが、11月に映画祭が終わり、年が明けて、弁セレに向けて受賞者を集め、月に一回のミーティングを始めるようになったのは、この頃からですね。
(沢村) チラシ作りの指導は以前からやっていましたが、全員で集まって体系的にやる、という形になっていったのは最近のことかもしれません。特にコロナ以降、弁セレが9月頃に行われていた時期は、準備期間がかなりありました。その時間を使って、作品の宣伝コンセプトの立て方、観客層の設定、キャッチコピーの作り方、メインビジュアルの選び方などを、丁寧に体系的にやるようになりました。

(掛尾) これは自主映画の監督やプロデューサーにとって、あまり経験がないことだと思います。自主映画の人たち、もっと言えば、インディペンデントで映画を作っている人たちの中にも、映画は作れば終わり、というか、その後のことはあまり考えない、知らないという人が多くいます。受賞した監督やプロデューサーたちに、出来上がった映画を、観客にどう届けるか、実際の映画興行のプロセスをレクチャーするのは、すごく重要なことと思います。
そこは非常によかったと思っています。
(沢村) 自主映画の場合、作ることはできても、売ることを考えていないことが多かったんです。それに、私は興行者でもあるので、チラシやポスターを見ていて、自主映画のチラシが下手だな、もったいないなと思うことがとても多かった。もちろん、プロと同じやり方をやってもうまくいかないことは分かっています。ただ、もう少し映画としての整え方やコツはあると思っていたので、それをフィードバックしていったということだと思います。
もう一つは、自主映画、インディペンデント映画の底力というか、単館系の映画に近い感覚です。出来上がったチラシやポスターを、自分たちで撒きまくる。他の劇場に行って配ったり、劇場の前で配ったり、飲み屋さんやいろいろな場所に貼ってもらったりする。そうやって自ら動くことで、映画館に集まる熱心なファンと接触し、それが観客につながっていく。そういうことを体感してもらうのは、とても重要だと思います。映画は作って終わりではありません。自分の作品を観てほしいという作り手の思いを、どうやって観客に届けるか。
これは監督にとって、今後知っておいた方が良いスキルなのではないかと思います。
あとは、満席のテアトル新宿の舞台の上から客席を眺めるという体験ですね。僕らにはできない体験を、監督や俳優たちはそこでしていると思います。そこで何か芽生えるものがあるのではないか。一度それを味わってほしい、という思いは今でもあります。上映後のトークゲストに、自分の憧れの人に来てもらうこともある。
すべてが、映画をきっかけに、いろいろな出会いを作っていくことにつながっていると思います。疎遠だったお父さんが弁セレで上映する自分の映画を見に来て、十何年ぶりに会ったという話しもあります。
(掛尾) 確かにチラシを配ることは、観客とつながる最初の一歩で、確実に観客動員につながりますね。今日の上映(5月13日、山田純監督「龍宮の誘い」)の前も「夜中のポップコーン」の藤本匠監督、「おとなになりたくなれますように」の村田夕奈監督、それから弁セレには関係ないけど、テアトル新宿で5月29日から公開される「2045 FILMS WORKSHOP vol.1」の龍村仁美さんなどがチラシを配っていました。龍村監督は2024年の弁慶映画祭で映画.com賞を受賞した木村マイナ監督「天使たち」に主演していたので、まあ、弁慶グループみたいな感じです。


ところで、弁セレを見る社内の評価に変化はありましたか。
(沢村) 去年は4週間で4,000人を超えています。瞬間風速的には、昼間の作品より入っている状況になることもあります。興行部からも注目されますし、今は劇場がかなりオペレーション特化型になっている中で、弁慶セレクションの場合は劇場も宣伝に参加する形を取っています。そういう意味では、いつもの作品とは違う形で関われている。興行側が入ると楽しいんです。若手の新入社員たちも、面白がってくれ始めた感覚があります。僕らの時代は、もともと劇場のスタッフが番組を決めていました。そういう意味では、弁慶セレクションだけは原点回帰していると思います。今年から劇場の意見で弁セレのオリジナルドリンクを始めたりしました。
(掛尾) 私も90年代には、新宿のテアトルのライバルになる劇場で番組編成をやっていたことがありますが、あの頃は、配給側と興行側が、1本1本もっと丁寧に関わっていました。
映画のタイトルの付け方一つでも、宣伝会議で「これはやめよう」「ああしよう」と話し合っていました。
(沢村) 今は、編成がセントラルになって、本社で拡大上映を決めていくスタイルになりました。劇場からその役割が薄まっていったのは確かです。
元々、テアトル新宿のレイトショーは多くの監督たちを輩出しています。青山真治監督、山下敦弘監督、吉田恵輔監督、今泉力哉監督など、今活躍している日本映画の監督たちが出てきた場でもあります。自主映画をやっている人たちが、活躍する監督になっていく流れの中で、レイトショーは非常に大きな役割を果たしていたと思います。そういう場所で、弁慶セレクションも同じような状況を作れているのではないかと思います。
(掛尾) テアトル新宿とテアトル梅田でやるパッケージとしての弁セレのブランド力は、確実にできてきました。一方で、弁セレ後に地方などで上映される時に、弁セレのような勢いが出せない傾向もあります。逆に言えば、弁セレというブランドが強くなっているけど、個々の作品が単体で上映されると、まだまだ、弁セレの上映のような勢いがない。

(沢村) そういう課題も出てきました。弁セレ以降の上映にどうつなげていくかが弱いということです。弁セレの場合は、弁セレでうまくいくように半年かけて専念してきています。
だから、弁セレ以降は、弁セレ以降のやり方をやらないと、やはり集客は難しいのだと思います。そこはもう少し考えないといけないですね。
(掛尾) 確かにその通りですが、一般のインディーズ映画でも、地方興行はかなり厳しい状況です。そこに弁セレの映画が行ったところで、東京の弁セレの勢いはなかなか持続しない。
ただ、自主映画の強みを考えると、商業劇場だけではない場所を使いながら、もっとイベント的にやるやり方もあるのではないかと思います。これは弁慶に限らず、プロの映画でも言えるのですが。
地方のミニシアターがクローズし、マイクロシアターに変わっていく流れがあります。地方の映画文化は、かなり窮地に追い込まれています。70席、80席規模のミニシアターですら地方では成立しにくくなり、20席、30席のマイクロシアターに生まれ変わろうとしている。地方都市での上映は、弁セレ作品の上映に限らず、一般のインディ映画にも関わる、日本の映画文化の話しになってしまう。
話しを戻すと、自主映画を、映写も音も整った上映環境、いわゆる商業劇場の大きな画面で多くの観客に見てもらうということが基本です。
(沢村) そうですね。できれば、自主映画であっても、商業映画やプロの映画と変わらない場所で上映して、勝負できる作品が出てきてほしい。
日本は最も自主映画を観られる国だと思います。これだけ自主映画を観られる国は、他にあまりないのではないかと思います。逆に、メジャー作品全盛の映画業界になってくると、それとは違う作り方や成り立ちを持つ自主映画の面白さ、貴重さが、もう一度再評価される可能性も大いにあると思います。
(掛尾) その通りだと思います。自主映画だからこそ、何の制約も受けず、自由に作れるのに、応募作品の中には、自分で規制して型にハマった作品も少なくありません。自由と言っても野放図な自由ということではなく、そこはセンスの問題ですが。プロに片足突っ込んで、妙にテクニックは凝らしているけど、型にハマった作品を見ると、自主映画のスピリットはそうではないのではと思います。
ところで、今年は配給会社がついている作品が多いのもひとつの傾向と思いますが。
(沢村) それだけ弁慶映画祭に注目が集まっているとも言えます。これが今後も続く傾向なのかどうかは、今年だけでは判断できません。ただ、弁セレがそれだけ注目を集めるようになった、という言い方はできると思います。本来、弁セレにはショーケース的な意味合いがありました。弁セレで作品を観て、配給会社が決まり、公開していくという流れは良いと思っていました。ただ今は、もう少し早くなっていて、弁セレの前の段階で配給がつくような状況が急速に出てきています。
(掛尾) 弁慶映画祭で上映され、受賞して弁セレでの上映が決まったところで配給会社が目をつける。以前、映画の配給、興行を知らない監督たちを食い物にする悪質な配給業者が出没して、我々は監督たちに注意を喚起したこともありますが、今年の傾向は、ちゃんとインディ映画の配給、宣伝の実績のある会社が仕事として近づいてきた。
(沢村) ただ、配給会社の人たちも、自主映画のやり方を知らない場合があります。プロと同じやり方をはめても、自主映画の場合はあまりうまくいかない。予算のかけ方も、バリューも全然違います。そこを配給会社側も理解してやってあげる必要があると思います。
今後どうなるかは、まだなんとも言えません。今年だけの現象かもしれないので、少し様子を見守りたいですね。ただ、こういう流れは決して悪いことではありませんし、業界に波風を起こすきっかけになる可能性もあると思います。
業界の人たちも少しずつ注目し始めています。たとえば、新藤兼人賞のノミネートに弁セレ作品が入るようになったり、業界の人もぽつぽつ観に来てくれるようになっています。
そういう方々に作品を見つけてもらう場になればいいと思います。
自主映画の映画祭だけど商業劇場での上映に直結している
(掛尾) 弁慶映画祭のエンタメ路線を評価してくれる人もいます。今年、東京国際映画祭のフェスティバル・ディレクターに再就任した久松猛朗さんは、昨年も田辺に来て、弁慶映画祭のカラー、アートとエンタメの両立を高く評価いただいています。今まで、エンタメ色が強いことで、アート系の映画祭では少し引っかかりにくい面もあったのかもしれません。ただ、ここ数年、今泉力哉監督、天野千尋監督、岨手由貴子監督など、弁慶出身の監督たちの活躍という結果を残していることで、そういう色眼鏡が少しずつ外れてきたのではないかという気もします。
(沢村) 弁慶映画祭の特徴として大きいのは、自主映画の映画祭だけど商業劇場での上映に直結しているという点です。
日本には映画祭がたくさんありますが、ここまで直結しているものはなかなかないと思います。スカラシップ制度がある映画祭は多いですが、受賞作をそのまま上映する映画祭は、なかなか聞いたことがありません。ただ、それは、商業公開のために半年間専念して準備するからできることでもあります。そこが大変なところです。
(掛尾) その点は、先ほどのアートとエンタメのバランスについても言えるのですが、ちょっと自画自賛になってしまうけど、弁慶映画祭という組織に、たまたま沢村さんがいて、僕がいて、いろいろな人脈(製作、配給、興行、批評、大手、インディ、海外)とつながりがあり、それぞれ実際の経験を持っているということもあるのでは。つまり、映画祭では作品力と作家性が問われ、弁セレでは、それらの作品をどのようにプロモーションしたら、より多くの観客に届けられるかというエンタメ力、いわゆる商業性を高めることに力を注ぐ。その両方を目指す映画祭と弁セレの流れです。
(沢村) その通りですね。今後のことに関して言うならば、やはりテアトル新宿と梅田以降の上映でも入るようにしていくこと。
そして、応募する人たちにも、上映したい人に集まってほしいと思います。映画は作って終わりではありません。自分の作った作品、自分の伝えたいことを映画にして、それを人に伝える。それをやりたい人と組みたいですね。
たとえば今後のことですが、来年からは、梅田の後に、千葉県、柏のキネマ旬報シアターが参加することになっている。その後も、名古屋でもやる、札幌でもやる、という流れができたらと思います。配給がついていようがいまいが、「これはパッケージです」と言えるようになれば、作品にとっても良いと思います。
今年は配給会社がついている作品もありますが、配給会社側からも地方での上映を希望されるケースが出てきています。過渡期ではありますが、少しずつ違うことをやりながら、導いていければと思います。
東京、大阪、千葉、名古屋と流れができたら、「ではうちのところも」という劇場が出てくるかもしれない。九州や北海道でもできたらいい。そのくらいの箇所でやれたら、弁慶の知名度も上がりますし、監督たちにとっても良いことだと思います。
4本ないし5本の作品を、1週間、あるいは2週間の中で、1日1回でも上映できるような形にできれば、新しい映画の上映形態としても意味がある。また一つ、映画の歴史に刻むこともできると思います。新しいやり方には、どんどんチャレンジした方がいい。もちろん、作品や監督の意向も踏まえないといけませんが、様子を見ながらやっていく。それが、新しい手を打っているということになるのではないかと思います。

(掛尾) 実は、この対談は弁セレが始まって6日目の5月13日(木)、山田純監督「龍宮の誘い」の上映中にやっているんですね。今日の上映後のトーク・ゲストは、2024年に弁慶映画祭で審査員を務めていただいた俳優の藤原季節さんです。藤原さんは、最近は「まぐだら屋のマリア」(2025/NHK)、「風、薫る」(2026/NHK)、現在、上映中の映画「幕末ヒポクラテスたち」(ギャガ配給)と大忙しなんですけど、弁慶関係のお願いということで快く引き受けてくれたようです。19日(火)から始まる藤本匠監督「夜のポップコーン」の初日19日のトーク・ゲストは俳優の武田梨奈さんで、武田さんも、藤原さんと一緒に弁慶のゲスト審査員として田辺に来ました。こうやって、弁慶の輪が大きく広がり、強く結ばれていることを感じます。過去の弁セレ監督たちが揃って観に来てくれることも多いです。
今年は山田純「龍宮の誘い」、坂本憲翔監督「イマジナリーライン」、西山将貴監督「インビジブルハーフ」、藤本匠監督「夜中のポップコーン」、村田夕奈監督「おとなになりたくなれますように」が続きます。偶然ですけれども、ミステリー、ホラー、コメディ、青春、社会問題、人権問題という、すごいセレクションで、本当にバラエティ豊かな作品がそろっていますね。クオリティもみんな高いですし、観ていて全然飽きない。トークのゲストも素敵な顔ぶれがそろっています。絶対におすすめです。
(沢村) そうですね。バラエティの振り幅は、過去最大ですね。これは受賞作なので、こちらが選んでいるわけではないのですけど、そういう意味では、今年のラインナップは非常に面白いと思います。弁慶の輪と言うことなら、藤本匠監督「夜中のポップコーン」のゲストは武田さんのほかにも、弁慶ではレジェンドと呼ばれるほど数々に映画に出演している俳優の木村知貴さんが5月22日に登壇しますね。
(掛尾) 弁慶映画祭の特色として、「リベンジ」するという監督が今までも何人もいますよね。ファイナルに残りながら、受賞を果たせなかった人が再挑戦するというケースです。今年は藤本匠監督「夜のポップコーン」でリベンジして、キネマイスター賞を受賞、見事に弁セレに勝ち残った。2019年、第13回に「バカヤロウの背中」でファイナルに選出され田辺に来ましたが、その時は、惜しくもアワードを取れなかったんですけどね。
(沢村) 私は、選ばれなかった人にも、他の劇場で公開するよう声をかけるようにしているんです。他の劇場で1週間上映して、お客様が入りました、という形でも全然いいと思っています。
(掛尾) 確かに受賞せず、弁セレでの上映はなかったけど、その後に活躍している監督もいますし。2018年、第18回に「向こうの家」でファイナルに残った西川達郎監督は、その後、「BISHU 世界でいちばん優しい服」(2024/イオンエンターテインメント)、「BADBOYS THE MOVIE」(2025/東映)とメジャー映画でデビューしています。
(沢村) 今年は弁セレ5作品中、4作品に配給がつきました。これは、前述したように弁慶映画祭での受賞、弁セレでの上映という流れが知られるようになった結果、配給会社が注目をするようになったのか、それとも今年だけの傾向か、まだ分かりません。しかし、映画祭、弁セレという流れに注目が集まるようになったことは事実で、ひとつの過渡期を迎えていると思います。今年の結果を踏まえて、今後の方向性を考えていきたいですね。是非、映画を作って、興行したいと言う人は弁慶映画祭に応募して頂ければと思います。新しい出会いを楽しみにしています。
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第20回 田辺・弁慶映画祭 コンペティション部門 募集を開始します! – 田辺・弁慶映画祭2026-20th 和歌山県田辺市
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