自身が抱える重い悩みを誰にも打ち明けられずにいた、主人公・あやめ。大量の服薬に、食べることを拒むようになった身体。それは、彼女がとっくに限界を迎えていた証でもあった。 そんな時、下の階に住むという同じ大学に通う男の子が、部屋を訪ねてくる。心配そうに気遣う様子を見せる彼に大丈夫かと聞かれても、彼女の答えは決まっていた。 「ひとりで、大丈夫」 救いの手を拒んだあやめの内側から、黒くよどんだものが溢れていくばかりであった……。