雨の夜、父の入院のため帰省した兄妹は、病院に付き添いの母を残して、実家に泊まることになる。 物忘れの多くなった母の心配や、仕事、恋人のことなど、お互いに近況を話す2人の会話は、どこかすれ違い、 しまいには口喧嘩になってしまう。そんなところへ、病院にいる母から一本の電話がかかってくる。 家族であるが故に、お互いを思いやる気持ちが、ときには相手にとって重荷になり、素直になれないことがある。 そんなどこにでもある雨空の夜の家族の風景に、人の優しさの存在をしみじみと感じられる作品。