高校二年生の“ゆい”は、来週には東京へ引っ越すことが決まっていた。母の運転する車に乗っている最中、たまたま隣の家に住む幼なじみの“ゆいと”と道で出会い、乗り合わせていくことになる。 車内に流れる気まずい沈黙と、窓の外を過ぎていくいつもの町の景色――小さい頃から仲が良かったはずが、成長するにつれてどこかぎこちない距離が生まれていた二人は、家までの短いドライブの中で、ずっと言えなかった想いを少しずつ言葉にしていく。