長年の同棲生活で会話も減り、気持ちがすれ違っていたハルと英二。 いつしか今の関係に楽しさを見いだせず、毎日に嫌気がさしたハルは愛想を尽かして家出を決行。しばらくして思い直した彼女が戻ってみるが、英二はすでにこの世を去っていた……。 葬儀の日、不思議なめぐりあわせの末に、再びハルの前に姿を現した英二。久しぶりにゆっくりと他愛ない対話を重ねるふたりだったが、穏やかな時間の先には、再び訪れる別れの足音が近づいていた。 本当に大切な人に、最後に伝えたい言葉とは――。