天翔（たかと）、14歳。自宅で目を覚ました彼が見たものは、いつも酒に酔っては家族に暴力を振るう父が、あっけなく目の前で死んでいる光景だった。虚ろな記憶の中にあるのは、父の脇腹に突き刺さった包丁と、それを引き抜く母の姿だけ……。 ――次に目を覚ました時に天翔がいたのは病院のベッドの上。そこで刑事から、母が父殺しの罪で自首したことを告げられる。 本当に母が父を殺したのか、それとも犯人はほかにいるのか。彼は母を守りたい一心でひとり殺害現場である自宅へと戻るが……。