立川名画座通り映画祭とは
──2024年は立川名画座通り映画祭は10回目ですね。立川名画座通り映画祭が始まったきっかけを教えてください
2015年に立川駅の南口商店街が共同でこのエリアを盛り上げるために立川南口フェスティバルをやることになって、各商店街が自由に催しを決めることになりました。私が所属している諏訪通り商店街でもフェスティバルで何をやるか話し合いました。 諏訪通り商店街には今はないですが、以前「立川名画座」という名前の映画館があったんです。だったらうちは映画祭をやろうということになって、名前も立川名画座通り映画祭として開催することにしました。
──映画祭を立ち上げるのは並大抵のことではできないと思います。運営は大変だったのではないでしょうか?
立川には、映画にゆかりのある関係者がいます。『ドーバーばばぁ』を監督した中島久枝さんもその一人。第1回目から審査委員長をお願いしました。作品募集に加えてワークショップで映画をつくったりしたのですが、中島久枝監督にワークショップの講師をお願いし、快く引き受けていただきました。第3回目からは大林宣彦監督の監督補佐もしていた立川市出身の松本動監督にも審査員をお願いしました。
──映画祭は第1回目から順調に応募数も集まったのですか?
いいえ。第1回はワークショップ作品を含めて5作品の応募でした。第1回のグランプリは大石結介さんがプロデュースした『岐路』という作品です。大石さんには素晴らしい作品を応募いただき、感謝しています。
第2回目の応募作品が18作品、第3回目は大きく伸びて87作品の応募がありました。
第3回目から規模を拡大して今も使用している約200人ほど収容できる立川市柴崎学習館で上映会をするようになりました。
──立川名画座通り映画祭のコンセプトを教えてください?
商店街を盛り上げるお祭りから始まった映画祭で、しかも運営費は商店街に負担してもらっているので、立川の南口商店街全体が盛り上がることは重要です。たくさんの人にお越しいただき商店街にも立ち寄ってもらいたいと思っています。
さらに、かつて存在した立川名画座にお越しいただいた方や想いを寄せていただいている方にも懐かしんでもらいたいという気持ちもあります。
特に最近は国内だけでなく、なんと海外からも応募があり、そういった応募者の皆さんの期待にも応えていきたいと思っています。

── なるほど。変わらないところもあれば、時とともに変わっていくこともあるのですね。
あまり自分たちで強く「こうしていこう」というのはないですね。やっぱり世の中、需要と供給で成り立っていると思うんです。要望があればそれを取り入れていくし、なければ無くしていくという自然体なスタンスが良いと考えています。
例えば、スマホで制作する短編映画が多ければスマホ部門をつくる、アニメ作品の応募が多くなってきたらアニメ部門をつくるというように、需要があるものを取り入れて運営しています。
──「流される映画祭」って感じですね。
自分たちで高い望みを持って需要もないのにブームをつくりだすことは大企業にしかできないと思っています。我々の規模だと需要のあるものを取り入れていくことが長く続けるコツだと思っています。
市民審査員による審査も
──運営についてもう少し詳しく教えてください。審査についてどのようにされているか教えてください。
特別審査員と市民審査員で審査をします。市民審査員というのは立川市民や映画祭に出たことがきっかけで参加された方たちで、必ずしも映画業界で働いている方たちではありません。審査は映画界で活躍したり、映画に精通した特別審査員と視聴者目線を持った市民審査員の意見を合わせて決めていきます。
──立川名画座通り映画祭が他の映画祭と違うところがあれば教えてください。
市民目線が入っていることが大きな違いでしょうか。映画関係者が審査で選ぶ作品と市民審査員が選ぶ作品は違うことも多々あります。
──対象作品が10分以内ですね。超短編にこだわっている理由はありますか?
上映する作品は色々なタイプの作品があります。ドラマもあればホラーもドキュメンタリーもあります。観にくる方がホラー嫌いだと90分の長編作品は拒否反応があるかもしれません。10分くらいであれば自分の嗜好と違った作品でもみていただけるんではないかと思って10分以内にしています。
──今回はどのくらいの応募があったのでしょうか?
167作品です
──部門が多いですね。
今回はアニメ部門、ドキュメント部門、スマホ部門、ミュージック部門、立川市部門、ドラマ部門があります。応募はやっぱりドラマ部門が多いですね。
──第1回のことを思うと感慨深いですね。
そうですね。応募してくださる方もCMで活躍している人とか映像関連のプロの方も多く、作品の質も年々上がってきているように感じます。
──質が上がってきているのですね。
間違いないですね。面白いのは審査員が家でスマホなどでみた場合と大きなスクリーンで見ると、感じ方が違うことがあるみたいですね。
──立川名画座通り映画祭の見どころを教えてください。
色々なジャンルの作品が見れること。さらに上映作品で監督など関係者が当日お越しいただいた作品は監督やスタッフ、俳優の登壇があるので、映画に加えて制作した方の話を直に聞けるにはとても面白いと思います。
──最後に立川名画座通り商店街をどのように発展していきたいですか?
立川名画座通り映画祭を続けて欲しいという需要があれば、続けていきたいと思っています。
開催概要
第10回立川名画座通り映画祭
【開催概要】
2024年9月14日(土)~15日(月)
10周年特別企画 立川名画座通り映画祭 歴代グランプリ作品一挙上映

【プログラム】
- 公募作品の上映はコンペ形式とし、一般観客の方にも投票頂き大賞他各賞を決めさせて頂きます。但し、各部門毎に全作品をご覧の方にのみ投票権有り。
- プログラムの内容と時間は変更になる可能性がありますので随時ご確認頂くか、余裕をもってお越しください。
9月14日(土)公募作品の上映 詳細プログラムはこちら
会場:柴崎学習館ホール
入場料:無料
予約:不要
12:30 開場
13:00 オープニング
13:05頃~第1部 アニメ部門の上映 ゲストトーク 休憩
『氷の国と太陽の住民』(5分30秒)
『ここだけのはなし』(4分55秒)
『放課後の怪物』(8分15秒)
『約束の森 ~ヤマネ物語~』(9分30秒)
『虹いろの森』(4分09秒)
『Crevice』(6分00秒)
『きつねつき』(7分08秒)
『双翅軍雷攻』(5分08秒)
『Stein』(8分50秒)
『鶴が舞う夜に』(10分00秒)
15:00頃~第2部 ドキュメント部門・スマホ部門の上映 ゲストトーク 休憩
『ポルコ大百科』(8分35秒)
『Party』(9分39秒)
『外す男』(5分58秒)
『インサイド・シャツ』(3分06秒)
『芝居の嘘』(4分00秒)
『学校おいでよ!』(7分52秒)
『羨望が眼差す』(3分26秒)
16:00頃~第3部 ミュージック部門・立川市部門の上映 ゲストトーク 休憩
『more』(5分10秒)
『種』(1分47秒)
『あの日、あの時、かけ違えた時』(10分00秒)
『不当な賃金 憂鬱な彼女』(9分55秒)
『創造者』(10分00秒)
17:00頃~招待作品の上映
「銃後の護りー立川の女性の戦争」20分
17:30~表彰式 終了のご挨拶
9月15日(日)公募作品の上映 詳細プログラムはこちら
会場:柴崎学習館ホール
入場料:無料
予約:不要
12:30 開場
13:00頃~第4部 ドラマ部門上映 ゲストトーク 休憩
『不思議な機械』(4分11秒)
『Reminiscence Blue』(9分58秒)
『あの日、わたしたちにあったこと』(9分51秒)
『人間解除』(7分15秒)
『わたしのまんなか』(10分00秒)
『ヒューマンエラー』(9分20秒)
『忘れもの』(10分00秒)
14:30頃~第5部 ドラマ部門上映 ゲストトーク 休憩
『SPARE|スペア』(10分00秒)
『メイキング・シブヤ』(7分00秒)
『ギルトフリーライフ ごめんね』(9分58秒)
『日出るまで』(9分59秒)
『狐の嫁入り』(10分00秒)
『何でも屋物語の裏バイト』(10分00秒)
『風光る』(9分14秒)
16:00頃~第6部 ドラマ部門上映 ゲストトーク 休憩
『脱兎』(8分01秒)
『ハッピーアワー』(8分55秒)
『私のパンの焼ける音』(7分00秒)
『密談長屋』(7分09秒)
『クジラの背中で話すコト』(7分10秒)
『ボクたちの宇宙戦争』(8分50秒)
『幸福指数』(9分13秒)
17:30頃~招待作品の上映
『在りのままで咲け』(29分25秒/2022年)
18:30頃~表彰式 終了
※表示時間は状況により変更の可能性がありますので、余裕をもってお越し下さい。
9月16日(月祭日)10周年特別企画
過去グランプリ全作上映
場所: シネマシティ シネマ2
時間:夜8時~
入場料:500円
予約:こちらの予約フォームよりお申込み下さい >>>

井村哲郎
以前編集長をしていた東急沿線のフリーマガジン「SALUS」(毎月25万部発行)で、三谷幸喜、大林宣彦、堤幸彦など30名を超える映画監督に単独インタビュー。その他、テレビ番組案内誌やビデオ作品などでも俳優や文化人、経営者、一般人などを合わせると数百人にインタビューを行う。
自身も映像プロデューサー、ディレクターであることから視聴者目線に加えて制作者としての視点と切り口での質問を得意とする。