なぜか出られない真夜中の図書館を舞台に描く、 目に見えぬものに紐付けられた若者たちの物語
異才・七里圭監督×主演・井之脇海
劇場公開:2024年10月12日(土)よりシアター・イメージフォーラム他、全国順次公開
イントロダクション
図書館の自動ドアはいつでも開くが、なぜか外には出られない。どこにも行けない理不尽な状況で、居合わせた男女5 人は、なぜか芝居の稽古に興じ始める。そこにはいない誰か、不在の視線を意識しながら……。
映画の舞台は、世界的な建築家の隈研吾が手がけた村上春樹ライブラリー(早稲田大学国際文学館)。この開館記念映画として製作された短編をもとに61分の劇場公開(ディレクターズカット)版として完成された作品である。
主演は、若手実力派の井之脇海。『東京ソナタ』(08)の天才ピアノ少年、『ミュジコフィリア』(21)の現代音楽に目覚める学生を更新するように、本作でも吹替なしのピアノ演奏を披露している。共演には、『福田村事件』(23)『熱のあとに』(24)など話題作の出演が続く木竜麻生とともに、『カゾクデッサン』(20)『劇場版 美しい彼〜eternal』(23)の大友一生を抜擢。そして、『王国(あるいはその家について)』等で鮮烈な印象を残す澁谷麻美、故青山真治監督作品で常連のベテラン俳優、斉藤陽一郎がわきを固める。
監督は、今年デビュー20 周年を迎える七里圭。劇場初作品の『のんきな姉さん』(04)で注目され、カルト的な人気を誇る『眠り姫』(07/サラウンドリマスター版16)や『DUBHOUSE』(12)、「音から作る映画」プロジェクト(14〜18)、『背 吉増剛造×空間現代』(22)など、 常に先鋭的な作品を生み出してきた異才である。
ストーリー
目覚めるとそこは真夜中の図書館。瞬介(井之脇海)が倒れていた階段の両側には、吹き抜けの天井まで高く伸びた本棚がそびえ、あちこちの段に小さなヒトガタが潜んでいる。扉を開けて外に出てみるが、なぜか館内に戻ってしまう。途方に暮れた瞬介は、導かれるようにして一台のグランドピアノを見つけ、そっと鍵盤を鳴らす。
やがて瞬介は、旧友の行人(大友一生)とその彼女だった貴織(木竜麻生)に再会する。三人は大学時代の演劇仲間だった。行人と貴織はもう随分前からここにいるらしい。他にも、見知らぬ中年男の出目(斉藤陽一郎)や謎の女絵美(澁谷麻美)もいる。行人は、この状況を逆手にとって、かつて上演できなかった芝居「ピアニストを待ちながら」の稽古を始める。しかし、瞬介には気になることがあった。確か、行人は死んだはずでは……?
予告編
出演・スタッフ
出演
井之脇海
木竜麻生
大友一生
澁谷麻美
斉藤陽一郎
監督
七里圭
プロデューサー
熊野雅恵
企画
土田環
ラインプロデューサー
佛木雅彦
撮影
渡邉寿岳
照明
高橋哲也
録音
松野泉
黄 永昌
助監督
鳥井雄人
ヘアメイク
永江三千子
スタイリスト
小笠原吉恵
スチール
本多晃子
劇中戯曲
鈴木一平
原案協力
山本浩貴
振付指導
神村 恵
音楽
宇波拓
編集
宮島竜治
山田佑介
プロフィール
◾主演 井之脇海(瞬介役)
1995 年生まれ。神奈川県出身。2008 年、『トウキョウソナタ』(黒沢清監督)で第82 回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞ほか複数の賞を受賞。2018年、監督・脚本・主演を務めた『3Words 言葉のいらない愛』がカンヌ国際映画祭ショートフィルムコーナー部門に入選。近年の主な出演映画:『護られなかった者たちへ』(21/瀬々敬久監督)、『ONODA 一万夜を越えて』(21/アルチュール・アラリ監督)、『ミュジコフィリア』(21/谷口正晃監督)、『猫は逃げた』(22/今泉力哉監督)、『とんび』(22/瀬々敬久監督)、『犬も食わねどチャーリーは笑う』(22/市井昌秀監督)、『almost people』(23/加藤拓人監督)、『バジーノイズ』(24/風間太樹監督)など。
◾木竜麻生(貴織役)
1994年生まれ、新潟県出身。2014年に大森立嗣監督『まほろ駅前狂騒曲』で映画デビュー。瀬々敬久監督の『菊とギロチン』(18)で300人の中から花菊役に選ばれ映画初主演、同年の『鈴木家の嘘』でヒロイン役を務め、毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞やキネマ旬報ベスト・テン新人女優賞など数々の映画賞を受賞する。2022年には主演映画『わたし達はおとな』(加藤拓也監督)で北京国際映画祭フォーワードフューチャー部門最優秀女優賞を受賞。近年の主な出演映画:『ぜんぶ、ボクのせい』(22/松本優作監督)、『ヘルドッグス』(22/原田眞人監督)、『Winny』(23/松本優作監督)、『福田村事件』(23/森達也監督)、『熱のあと』(24/山本英監督)、『かくしごと』(24/関根光才監督)など。
◾監督 七里圭
1967 年生まれ。最初の作品は、高校時代に PFF’85 に入選した(推薦:大島渚)8 ㎜映画『時をかける症状』(1984)。早稲田大学ではシネマ研究会に所属し、先輩の手伝いから映画製作の現場で働くようになる。約 10年間の助監督経験、テレビドラマ等の演出を経て、山本直樹原作『のんきな姉さん』、短編『夢で逢えたら』 (ともに2004)で監督デビュー。『マリッジリング』(2007)以外は自主製作に転じ、異色の作品を発表。声と気配で物語をつづる『眠り姫』(2007/サラウンド リマスター版 2016)が15 年間毎年アンコール上映を繰り返し、代表作となる。建築家・鈴木了二と共作した『DUBHOUSE』(2012)が第42回ロッテルダム国際映画祭他ヨーロッパ・北米のエクスペリメンタルな映画祭を席巻し国際的な評価を得る。他ジャンルのアーティストとのコラボレーション作品「音から作る映画」プロジェクト(2014~2018)、「シネマの再創造」(2019~)など実験的な映画制作、映像パフォーマンスも手がける。2020 年にはロックダウン直前のベルリンとパリでの招聘公演が好評を博す。コロナ禍を経て、村上春樹ライブラリー・イメージ映像「The Strange Library」(2021)、記録映画『背吉増剛造 × 空間現代』(2022)を公開。2023年は「石巻ハ、ハジメテノ、紙ノ声、……」(京都芸術劇場春秋座)、「Music as film」Realtime voice-over and remix(東京ゲーテ・インスティチュート)、「清掃する女:亡霊」(早稲田小劇場どらま館)と三つの上演映像作品を演出。2017年、山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション審査員。2003 年から2016 年まで TBS「THE 世界遺産」の構成作家も務めた。2019 年より多摩美術大学非常勤講師。
公開情報
東京都 シアター・イメージフォーラム 10/12(土)〜
大阪府 シネ・ヌーヴォ 11/2(土)~
神奈川県 横浜シネマリン 11/16(土)~
京都府 出町座 11/29(金)~
詳しくは『ピアニストを待ちながら』のWebサイトをご覧ください https://keishichiri.com/pianist/
宣伝 平井万里子
宣伝デザイン 鈴木規子
予告編制作 日景明夫
HP 制作 植田智道
WEB 宣伝 ガブリシャス本田
宣伝協力 株式会社 BOTA
配給協力チャーム・ポイント
制作・配給合同会社インディペンデントフィルム
2024 年/日本/カラー/61 分/ヨーロピアンビスタ/5.1ch /DCP
©合同会社インディペンデントフィルム/早稲田大学国際文学館