一人寂しく無為な日々を送る男。ある日、その男の部屋に一人の美しい女性が飛び込んでくる。男はその女性を恋人にして、どこへ行くのにも 一緒に連れて行くようになる。ところが、周りの人々にはその女性が、ただの野球のボールにしか見えないのであった。 野球のボールを持ち歩き、まるで隣に誰かいるかのように振る舞う男は、周りから気味悪がられてしまうのだが…。 孤独な男性の虚無感の中に差し込んだわずかな希望は、周りから理解されないまま喪失していく。メランコリックな世界観に浸れます。